キャンディ
キャンディ(英語:Kandy、シンハラ語: මහ නුවර、タミル語: கண்டி)はスリランカ中部州の州都。キャンディはシンハラ語で山を意味するカンダの訛りで、正式にはカンダ・ウダラタ(山 上国)といい、マハー・ヌラワ(大きな町)とも呼ばれる。シンハラ人のウダラタ王国(1474ー1815)の最後の都である。人口は約11万人。またスリランカ中部では最 大の都市部で、地域経済の中心地でもある。
仏教の聖地として、1988年に、「聖地キャンディ」の名前で、ユネスコ世界遺産に登録された。仏陀の犬歯が あるとされる仏歯寺(ダラダー・マーリガーワ)がある。年代記の『チューラワンサ(小 史)』によれば、仏歯は4世紀にインドのカリンガ国からもたらされたとされ、アヌラーダプラのダンマチャッカ(法輪堂)におさめられて祀られ、 王権の権威を保証する証となった。当時の様相は法顕の 『仏国記』に描かれている。これ以後、王都が移動するたびごとに仏歯も移動して、現在はキャンディの仏歯寺に納められてい る。仏歯は仏陀の聖遺物の仏舎利として崇拝されると共に、強い力を持つものとして神のように祀られた。キャンディではエサラ月にあたる7月の満月を頂点と するエサラ・ペラヘラ祭で、仏歯が象の背中に乗せられて、神々の象徴である武器と共に町中を練り歩く。ペラヘラとは行列の意味でかつての王国の秩序が目に見える形で示され る。仏歯は雨を呼ぶともいわれ、作物の豊作をもたらす祈願の対象でもある。